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沖縄学術研究双書17                                    『聞書・中城人たちが見た沖縄戦  津覇にゆかりのある人々を中心に』

Category : 沖縄戦

書籍名 沖縄学術研究双書17                                    『聞書・中城人たちが見た沖縄戦  津覇にゆかりのある人々を中心に』
ISBN番号 9784898052488
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2,970円(税込)

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久志隆子・橋本拓大著

 中城村津覇は沖縄戦では決して大きな戦場というわけではなかった。とはいえ集落には日本軍の陣地があり、集落民は陣地構築にかり出され、戦闘が始まると様々な形で否応なしにまきこまれていくこととなった。
 戦争から既に七八年、記憶は薄れ様々な事件が忘れ去られてしまうことになりかねない状況の中で集落出身者であることを一つのテコとして、戦争体験者の記憶を聞書という形で引き出した成果が本書である。
 戦争の記憶の多くは悲しみと苦痛を伴うがゆえに、これを封印してしまうことが少なくない。以前は話すことを了としなかった人でも時と共に新たな語りが始まる。以前には応じなかった人が重い口を開くとき、沖縄戦は更に新しい実相として姿をあらわしてくるのである。
 本書は著者の修士論文作成の一環として二〇一七年から二〇二二年にかけて、集落の戦時経験者二〇余名からの聞き書きをもとに製作された。一部は方言のまま文字化されている。証言者は全て写真入りで登場し、地域の人々にとってはすこぶる臨場感のあるものとなっている。
 市町村史編集が盛んな沖縄ではあるが、そこからもれ落ちた証言も少なくないはずである。本書が世代を超えた記憶の継承に役立ってくれれば嬉しい限りである。

A5判、並製、317頁 
定価2970円(本体2700円+税)



目次(抄)
序にかえて
 本書執筆の動機と研究の目的
 先行する聞き書き実践や証言集等
第一章 中城村と同村字津覇における沖縄戦のあらまし
第二章 沖縄戦前夜の状況
 第一節 学校生活
 第二節 地域での生活
第三章 沖縄戦中の住民の行動
 第一節 日本本土(熊本)へ疎開した人
 第二節 沖縄本島北部へ疎開した人々
 第三節 南部へ避難した人々
 第四節 中城村(津覇・奥間)に留まった人々
 第五節 捕虜になってから収容所での生活
 第六節 従軍した看護要員、炊事婦、「学徒出陣」
 第七節 外地・テニアンでの戦争体験との比較
第四章 戦後を生きる
 第一節 沖縄戦終戦直後の生活
 第二節 戦後にハウスメイドをしていた女性たちの座談会の記録
 第三節 ハワイに連行された一兵士の家族の戦後の生活、ブラジルへの出移民
第五章 沖縄戦の体験を振り返った体験者 の考えや思い等


久志隆子
1955年 沖縄県中城村に生る
1980年 京都教育大学卒
       中学校で国語教師を勤めた後
2021年 琉球大学大学院博士課程修了

橋本拓大
1966年 埼玉県深谷市生まれ
1984年 埼玉県立熊谷高校卒業
1989年 立教大学文学部史学科卒業
1989年 NHKに記者として入局
2023年 現在NHK国際放送局World News部所属


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